Hakodate Topophilia
函館市に現存する旧ロシア領事館の活用を主題としたコンペティション案
旧ロシア領事館は1996年の閉館から約17年間利用されないまま現在(2014年時点)に至っている。
敷地は函館山の北側に位置しており、建物の背後には広大な緑地空間が広がっていた。
また、敷地の南側に函館山、北側には函館港を見渡すことのできる好立地でもある。
私たちは、旧ロシア領事館と敷地の持つ歴史を一過性のものではなく、長期にわたり後世に受け継いでいけるよう柔軟性のある施設を計画し、新たな価値や魅力を創造することのできるコミュニケーション空間を提案した。
建物は敷地が徐々に隆起し屋根面へと変化。その後再び敷地奥の斜面と同化する。
建物と敷地との境界は曖昧になり、建物は地形の一部であるかのようなたたずまいとなる。
地形と一体化した建築は、この土地の持つ魅力的な景観、周囲の自然環境と調和し、旧ロシア領事館というアイコニックな建物を邪魔することなくひっそりと寄り添う。
新旧それぞれの建物は互いに機能を補完し合いフレキシブルな利用を可能にする。
函館には冬季、雪が降り積もる。
建物に降り積もる雪はあえて除雪することは考えていない。
雪に覆われた建物は、冬にしか見ることのできない白く幻想的な空間を作り出す。
四季を通じ、移り変わる環境と建築とが良好な関係を築き多くの人に愛される空間になることを期待した計画である。
※Hakodate☆monozukuri Forum” Architectural Competition 2014 入選
共同:kujira landscape
- 所在地
- 北海道函館市
- 用途
- コミュニティー施設
- 種別
- コンペティション
- 構造
- S+RC造
- 規模
- 地上1階
- 延べ床面積
- 315.70㎡
- ランドスケープデザイン
- kujira landscape
- 計画年
- 2014